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Wollensak 3" (75mm1:1.9) lens meet the Leica R camera.

75mmの焦点距離で明るさ 1:1.9 ちょっと気になる数字ですね。ウォーレンサックはmade in USA、レンズといえばドイツ、日本製が大半を占める中made in USAならコダック・エクターレンズとウォーレンサックでしょうか。ウォーレンサック社は8mm,16mmシネ用からスピードグラフィックスカメラ用、8×10大判カメラ用まで総合的なレンズメーカーで、後年、軍需用特殊レンズの製作など聞き及ぶところです。さてこの75mm、本来は工業用のレンズでオシロスコープ(波形モニター)上の平面画像を記録する為にヒューレットパッカード社がテクトロニクス社のオシロスコープにオプションとして用意したレンズみたいです。他にも60mm 1:1.4とかあるそうで、オークションで時たま発見致します。75mmは私の知る限り1:2.8アナスチグマットモデル、1:1.9でX0.9モデルとX0.5モデルを確認入手しています。いずれもebayオークションで入手、US$40〜65と廉価です(^.^)d ウソみたいな値段で結構な性能なのですよ。工業用ですからプロが使っていた訳でひどい傷等は無いはずです。シャッターはアルフェックス製プレスシャッターでT,B,1〜1/100で故障知らずです。絞り羽根は真ん丸で丁寧に作られています。以下は部分を見ながらライカRで使用に耐えうるまでの試行錯誤の末、行き着いたベローズについて書き綴っています。

front close view

手に持ってズッシリと感じる結構重たいレンズです。フィルターサイズは48mmで前玉口径は大袈裟ではなく、控えめな方だと思います。イメージサークルは6×7程度で決して広くないのですが35mmでの使用なら鬼に金棒でしょう。後ろ玉口径は46mm程度で私のベローズ内に収まりません。出っ張りも大きくレンズを手に持ちカメラマウントに直接当ててたところで1.5m程度が最長撮影距離です。つまりはバックフォーカスが非常に短く応用のきかない使いにくいレンズと言えます。マクロ専用のこのレンズをなんとかしたくてのめり込んでしまいました。

side view

ベローズの素材は古い引き伸ばし機です。皮製のしっかりとしたジャバラ部分、ガタや遊びは感じられない剛性の高い鉄製の金属部分が気に入りました。画面左側、引き伸ばしレンズ取り付け位置にLeica R T2マウントの厚みを削ったものをビスナット4本で固定。フィルムネガキャリアの位置に75mmレンズを元々付属のオシロ撮影ユニット固定回転枠を使って固定(とてもラッキーなジャンク品の合体劇でした)。低部には三脚ネジと同寸のピッチでネジ穴があって容易に三脚に固定でき二重のラッキーでした。

えっと、引き伸ばし機メーカーも「ラッキー」でして^^;;

top view

少しだけ傾いで見えます。カメラの脱着時にフォーカスノブとカメラ底部の接触を避ける為しかたなくですが結果的にはフォーカシングレールをオフセットした形状になってに自分のあごが当たらないのでファインダーが覗きやすくなりました。真上から見るとこれぐらいなのですが下の画像でもっと良く分かると思います。偶然の為せる技ですか(笑)

camera mount side view

一見のぞきにくそうですがボールヘッド雲台とのセット使用では全く違和感は感じません。

side view

ジャバラを一番ちじめた状態のマウント側です。後ろ玉のわくを枠を少しばかり削ってカメラマウントまでピチピチの状態です。この強烈なへそ曲がりマクロ75mmを使う上で全長をスイスイ延ばせるジャバラとの組み合わせは最高です。それにしてもライカR用のT2マウントは重宝です。現行商品としてライカ純正で数千円で手に入る最高の改造素材ですね。6mm程程のマウント厚を半分に削っていますが、グラインダーでかなり時間がかかりました。アルミの質がねばい感じでした。同じ風な日本製とチト違う、アルミのくせにドライバーで釣り下げ叩くと「チーン」と鳴ります。純正T2マウントはRLFC (R-Leica Fan Club) で紹介していて参考にさせて頂きました。

ライカRには有名なマクロエルマリート60mm1:2.8、Viso用エルマー65mm1:3.5の超有名玉があります。私は75mmの焦点距離が好きなのです。アマノジャクだけでもないのですよ。
side view

f1.9の特性を生かして手持ちマクロ撮影をもくろんでいましてあえてティルト、スィングなぞは考えていません。最大撮影スペースは21×13cmでA5判の寸法から最大接近は2倍程度までです。75mmの焦点距離は付かず離れずで手の届く距離の撮影にもってこいです。明るいファインダーはf1.9なればこそでファインダー越しにもにじみ等一切感じないクリアーでハイコントラストな画像を満喫できます。背景になるボケ部分はそのf1,9のもたらす恩恵を十分に生かしたもので高解像度の証のような点が丸にアウトフォーカスしたものと感じます。試しにリンフォフボードに付けて試写いたしら1mあたりからソフトフォーカス的なハロが目立ちはじめ無限遠ではボワッとした画像になります。勿論少し絞れば十分使えますがマクロ専用みたいです。無限遠で後ろ玉からフィルム面まで3〜4cmでスーパーアンギュロン47mmレベルです。

下は初期のセットアップ形状

セットアップ出来てうれしくて写した記録なのですが、最初マウントは国産の横ネジで固定できるT2マウントでした。ジャバラユニットもまだネガキャリア挿入スリットが生々しくそのまんまで遮光シールしていません。この頃最大撮影範囲はサービス判程度で改善を考えて始めた頃でした。

f1.9 1:0.9× model(left) 1.9 1:0.5× model(center) 1:2.8 Anastigmat model(right)

sample photo

チュウリップの葉

Wollensak -DUMONT CRO 3" (75mm1:1.9) OSCILLO-ANASTIGMAT+BORG HELICOID

f2.8と同様のANASTIGMAT typeをebayで手に入れました。後ろ玉がぎりぎりM42マウントの内径に納まるので(鏡胴をいくらか研摩します)ヘリコイドマウントにエポキシ合体させて無限遠を確保しています。レンズシャッターも生きています。但し最高速度は1/100秒ですから振れ防止対策、多重露光に有効便利なプレスシャッター、、まず使わないでしょうね。絞りは完全マニュアルですからボディーはREが絞り優先AEで便利です。開放使用の為にNDX2とX4を常時携帯です。M42ベローズが使えると思いきやモノレールにシャッター冠が当たって使用不可です。

レンズ前面フィルターサイズは48mmで汎用性に乏しいので49mmにステップアップしてペンタックスのレンズフードを流用しています。このままで最短距離80cmでもっと寄りたい時は接写リングのお世話となります。鏡胴左側にレリーズ穴が見えますがその下に手動チャージレバーがあって強打するとシャッタ−羽根が開きっぱなしになってしまいます。ファインダー真っ暗で、つまり分解修理になります。アメリカ製のAlphaxシャッターはシンプルな構造且つ剛製の強い部品構成ですから簡単に補修出来ますが強く当たって折れでもしたらアウトなので塩ビ板でガードを作ってあります。

明るい75mmの大口径f1.9ヤンキーレンズのウォーレンサックはフィールドワークに於いてはボケ効果はもとよりブレ防止の対策に重宝致します。このレンズは実にバッチシセットアップ出来ましたが、、ある日突然思わぬライバルがヨーロッパから現れてしまうのです。ビー玉ボケの美しいシュタインハイル35mmf2.8や75mmf2.8ウォーレンサックアナスチグマットより少し気位の高い100mm玉が次に登場いたします。ビー玉タッチのボケレンズコレクションが35-75-100と3本集められてもう十分って事になりました。

こちらはM42ヘリコイドマウントにセットした状態の75mm/1:2.8です。こちらもチャージの要らないプレスシャッターT,B,1〜1/100付です。通常使用はシャッターオープン状態のTとなりますね。

前述のビー玉タッチのボケレンズコレクションです。35mmはシュタインハイル、100mmはアンジェニュー、75mmはウォーレンサックとドイツ、フランス、アメリカ産で異国のレンズばかりで共通する点は「安い」って事でしょうか^^;;4本合計でG万程度です。

楽しいレンズ遊びの中心が自作のライカR→M42変換マウントです。ビビターT4マウントライカR用を改造致しました。ebay等で時折出て来ますので逃さずUS$10-20で片がつきます。工作精度は全くの日曜大工レベルですが製品として売って無いので自作しかありませんし、まあ早い話がおっさんのおもちゃです。

マルチマウントとしてM42化しておけば例えライカRがくたばってもレンズは生き長らえると思ったからです。ついでにOM→M42もつくってしまいましたがメインは絶対ライカRです。

下の画像はフォールディングカメラ用アンジェニューレンズをレスキュー再生したもので、ヘリコイドはこれまたカビ玉シュタインハイル135mmのを転用いたしまして、独仏合作レンズであります。マウントはライカR純正T2マウントで涙物の苦心作です。

押し込み感はぬぐえません

絞り機能は取り外してありますのでいつも開放(笑)中判レンズは35mmのレンズに対して解像度が劣るとか云われがちですが私は全く感知致しません。大口径開放描写、アポレンズ開放描写もそれはそれで素晴らしいと感じます。私は100mm/1:4.5で出来た画像にも満足しています。原形は右下の画像にあります620フィルム使用のフレンチコダックの6X9カメラです。

絞りが無いので堂々と全群回転し135mm用のヘリコイドのおかげで最短撮影距離80cmまで(葉書寸法程度)大丈夫です。

欠点はやはりファインダーが暗い事。f4.5は辛いです。逆光で激しいフレアが発生致しますのでペンタックスの目深なフードが必需です。

やはり私の中で「ビー玉タッチボケ玉」真打ちはシュタインハイル35mm/1:2.8です。面白さを知ったのもこれからですし思い入れナンババーワンはやはりこれです。元々最短距離20cmのマクロワイドレンズで開放絞りf2.8に不満も無く、ましてやその描写性能には目をみはるばかりです。ボケの中に透明感が満ちています。

元々M42マウントだったのですがオート絞りをわざわざノーマルに改造して代償としてFBをライカRのミラー干渉ギリギリまでさげて無限遠撮影の可能性を試みましたが最長遠距離3m程までで挫折致しました。

一緒に写っているリングは試作のまま35専用となったM42→ライカRリングです。

なんで「ビー玉タッチボケ玉」がお気に入りなのか改めて検証するとボケの中に透明感が満ちている事に気付きます。ボケが重なった部分が濃く重なりの少ない部分は薄く総じて透明感を感じます。次になぜ透明感に惹かれるのかは、、なぜでしょうね^^;;私の感じる透明感演出パフォーマーはシュタインハイル、アンジェニュー、ウォーレンサックの順番です。

些細な事に興味を抱き物品を探し、入手し改造してまた遊ぶ、廃品復活でもあり自分の価値観の見直しにも役立ちます。

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