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EL-Nikkor Lens on digital camera

フイルムの高性能化の後押しと不景気でコストダウンを余儀無くされて4X5は120ロールフイルムに67は645に35mmにとサイズダウンされ続けていました。昨年来解像度の高いデジタルカメラを使用し出すと大形カメラの使用頻度が下がってきました。デジタルカメラはもはや645サイズのフイルム性能に比肩する程になっています。広告媒体としてのポスターの役目が終演しつつあり、全ページ新聞紙面広告も減少傾向だそうです。A4程度の印刷上がりに必要なパフォーマンスがあればほとんどの撮影仕事は可能な時代になりました。

デジタル処理でソフトフォーカスや背景を「ぼかす」なんて事は簡単、しかし「パンフォーカス処理」は撮影段階できっちり仕事しきってないと後処理ではどうにもなりません。キーワードはパンフォーカス、、これは「あおれるカメラ考えんといかんのかいなぁ、、」撮影者としての条件は75mmのレンズが使えて前後共にシフト、ティルト、スィング、ライズ、フォールの総てのムーブメント可能な事。できればレボルビングもと、、。カナリヨクバリデス

しばらく「あぶらご」になっていたカンボSCN2を引っぱりだして、、考えました、、EOSのフランジバックがいかに短くても結像点は50mm近く後退するだろうし、、75mmレンズ後部はマウントのすぐ前になるかなぁ??レトロフォーカスタイプの75mmレンズでないと無理かなぁ??最後はシフトティルトの出来る古いNIKONべローズを探すか??とかも考えました。その答えが画像のカメラです。(袋蛇腹は中を御覧頂くために外してあります)残念ながらレボルビング機能諦めまして、カメラマウントボードを一旦外して90度回転させる事に致しました。以下の画像を見れば分かるのですがフロントは極端な凹みボード(約80mm)です。カメラマウントボードもグリップ部分が当たりますし、ペンタプリズムの前部が飛び出しているんで凸ボード(約15mm)になってしまいます。右の画像が75mm無限遠使用状態です。

使った部品はビスナット、パーマセルテープ、いかれたコメットストロボのヘッド外装(材質アルミ)をカメラマウントのヘコミ用に、レンズマウントはライカスクリューが切ってあるフジの引き伸ばし機レンズマウントです。それだけでは凹み量が不足なので以前カンボ用に使っていたスーパーアンギュロン47mm用の凹みボードの後ろに継ぎ足す格好になっています。ここまで深い2段式凹みボードになりますと絞り値は目視出来ません。しかしながら暗室での使用を基本にしているEL-Nikkorのクリックは軽い割りにしっかりしていますので5.6、8、11、16と、いち、にい、さん、し、と指先の感覚でわかります。むしろもう一段のF22まで欲しいのが正直なところです。

何の気なしにヤッホーでEL-Nikkorを検索したら、なかに80mmf5,6がおりました。早速G千でレスキュー、このままでは40mmから100mmまで5mmきざみで単焦点コレクションになってしまいそう?
多分80mmだとシフト、ライズフォールはいくらでも可能、、ティルトスィングに75mmから5mmの間隔余裕は大きいと想像出来ます。85や90mmじゃちょっと長すぎですね。

Rollei 二眼レフでしばしば熱く話題になりがちな75か80mm、ここのところがレンズ選びのツボでもあって、作画上の永遠のテーマかもしれません。 日本光学さんでも引き伸しレンズに75mm/f4と80mm/f5.6の2本をRolleiも撮影レンズに75mm/f3,5と80mm/F2,8を、、たった5mmの焦点距離の違うレンズを長い間両方共、生産し続けていました。 ライカ社もレンジファインダー用に75mm/f1,4を一眼レフ用に80mm/f1,4を生産し続けています。 まるでカメラマンにレンズ設計者たちが「どっちがいいんだ??」と挑むようにも受け取れます。

左の画像はEL-Nikkor75mm/f4開放で撮影致しました。前後する夏ミカンのへたにピントをおいてとなると、もうあおり撮影しか手はありませんね。

偶然なのですがサイト名"RED BOOK NIKKOR AID INTERNATIONAL"と相互リンクすることになりました。すんげー精密レンズの数々がごろんごろん、、うらやましい限りなのです。今のところEL-Nikkorで十分なので辛抱致します。(;_;)

EL Nikkor 80mm/f1:5.6 Lens+Nikon PB-4 on digital camera

"RED BOOK NIKKOR AID INTERNATIONAL"さんの影響もあって(、、と言い訳)いかんせんCamboは4×5サイズカメラであって運用はすこぶる大変であります。三脚だってハスキークラス以上が必要です。勿論75mmレンズですべてのムーブメントが前後ともに出来ますので手放せません。しかしPB-4の魅力、存在感に負けてとうとうebayで入手致しました。

通常のマクロ撮影のためにPB-4を使うのではありません。目的はあくまでデジタルカメラEOS1Dsをフル稼動させるための道具であります。作業はPB-4のマウント部分、蛇腹部分を外してみる事から始めました。精密な各部分の動きや造りそのものに圧倒されながらでした。これは削ったりしてはいけないぞと感じました。復元可能な範囲で自分の撮影スタイルに適合させる改造をしようと決心致しました。本体への接着は両面テープとパーマセルテープで、共に剥がし可能でもとの塗装を冒しにくい素材です。今回の改造は凹みレンズボード探しに苦労致しました。

EL-Nikkorの鏡胴ピッタリでわずかに余裕がある径の丈夫な素材パーツが条件です。電圧とワット数の関係で日本で使用不可能なパーコレーターの茶漉しの部分を発見し、サイズ的にも強度的にも十分だったのでラッキーでした。加工はライカマウントリングの開口をごりごり開けたぐらいでした。

本体とのジョイントパーツは発泡塩ビ板です。カッターナイフで切断出来て遮光出来て便利です。

角張ったNikon Fのデザインと異なり角がとれています。しかし前面にある2つのティルトシフトロックレバーはきっちり角が立っていて好ましい感じですね。ほんの軽くスライドすれば止まりますので無頓着、不用意なバカヂカラからでロックしようとすると指先に痛みが走るほど角が立っています。とっても良い工夫だと感じます。

左の画像、この止め位置で無限遠が出ています。微妙に見えますが当たり障りなくシフトテイルト目一杯可能です。

残された課題は前面の絞りリングが回し辛いので延長するリングを足さなければなりません。本当に次から次に、、ああ、でもそんな時が楽しい悩みでもあります。

ヤフオクでEOS-NF変換リングを探したらすぐに見つかってしかも即決設定があったので待つ事なく格安で入手出来ました。オークション樣さまです。

完成に近づきました。袋蛇腹をつける直前です。この状態ではスイングシフト可能なだけでライズティルトは出来ないみたいですがカメラをレボルビングしてユニット全体を横倒しすればスイングシフトライズティルトを選択出来ます。ですからまあスイングシフトライズティルトを同時には使えないのが欠点でもあります。

googleで検索したら改造してはる方がいらっしゃってPB-4のNikonのロゴ上をカットしてU型アームを本体側にネジ止めして、、、。私はそれしたらあかん信号のようなもんを受信致しましたので後戻りできるソフト改造にとどめました。

まあ中途半端なしろうと改造ですからそこそこにしようと思います。

余談です:マミヤセコールマクロ、リケノンマクロ、ヤシノンマクロの3つのブランド名で60mm/f2.8等倍マクロレンズが世に出ていた時期があったそうです。3本ともM42マウントだそうで、かなりな高性能だそうです。注目するべきはプリセット絞りだとゆう点です。マウントアダプターでEOSで使う際プリセット絞りはとても便利です。オリンパスOMレンズもプレビューボタンがレンズ鏡胴にあるのでプリセット絞り撮影がかなり容易なのですがそれに次ぐ便利な機構です。

そしてやっと完成、PB-4に1Dsをセットしてのテスト開始です。まん前のたまねぎから4っ目のたまねぎまでぱしっとピンがきています。こればかりはデジタル後処理ではどうにもならないテクニックですから撮影時にきっちりしておかないとね。可能性としてはピン送りしてピントの合っている部分部分を切り張りすればパンフォーカスも可能なのですが考えるだけで嫌になってしまいます。デジタルでは感光支持体が不動ですので機体固有の誤差を調整した後はフォーカシングスクリーン面と感光支持体面のピント誤差はひたすらゼロであってほしいところですし、現状で於こなっている機械精度を公表して頂きたいものです。

結果は左の画像のように完璧にあおり撮影が可能です。上部の小さなカットが撮影状況を記録した物ですがボトルまでの距離は1メートル以内でした。1Dsのグリップ部分、バッテリー部分の出っ張りには改造カンボの時と同様に泣かされました。レボルビングしようとするとレール後部と接触して出来ません。最小限の改造に止めたかったので縦位置でのティルト、ライズフォールは悔しいけど諦めていました。

「何とかしたい、、」不細工やけどカメラを逆立ちさせたらいけるんちゃうか?レボルビングのクリック位置を変える事が出来たらなぁー、、とダメで元々カメラ側マウントを分解してぎりぎりいけそうや(>_^)レボルビングのストッパーはポッチ(凸)がスプリングで出たり入ったりする仕組みでしたので新たに90°位置に2,7mmドリルで凹を開けたら、、なんとカメラ軍艦前面部分にあるCanonロゴとの隙間は名刺の厚さぐらい、正に紙一重でした。なんぼなんでも擦ったら双方に悪いのでパーマセルテープを張ってみました。

お世事にも袋蛇腹はスッキリ出来ていませんしおでこにパーマセルを張ったカメラですから何やら痛々しい雰囲気も感じますが、それも良い良いの実用一点張りです。

EL-Nikkor 80mm F 1:5.6 絞り値;f32 自然光でプラス1/3補正 AV auto

PB-4は元々90°レボルビングできるのですが、EOSで使いこなすためにはもう90°回したくなるはずです。

質問がありましたのでいっその事書き足しますね。

赤丸は通称「カニつめ」リングで対角にもおまじスリットがあるほとんどのレンズでよく目にするそれです。注意するのは青丸箇所で回転マウントとカニつめ固定リング接点に「割ネジ」が差されています。ごく細いマイナスネジで見落としてしまいがち、、そのままカニつめを力任せに回すと悲劇が訪れますので注意して探して下さい。最初に青マルの小ネジを抜いてからカニつめを使ってリングを外せばレボルビングの仕組みが解けて次に加工するレボルビングロック穴を開ける位置も分かると思います。文字だけで伝えようとするとなかなか難しそうで、、やればそんなに難しくありません。あけたら最後スプリングが飛び出し、ベアリングが散乱するような危険な事体にはないません。

画像の見た目ですが青丸部分ちょっと黄色いです。ラッカー止めの換わりに黄色のボンドでゆるみ防止塗をした結果です。

やっと完成致しましたPB4と1Dsのセットです。試行錯誤の末にマミヤ製袋じゃ腹(balloon bellows)を取り付けました。専用といっても通るほどフィット致します。M645用のべローズユニットは現行商品でビューカメラ同様の機能を持っています。それ用のじゃ腹なのですがすでにカタログ落ちしていて偶然ebayで発見し入手出来ました。

実際に絵画の複写等に使ってみますと歪みが全く無くとてもシャープでした。

左の画像はU,S madeのオリジナルティルトール三脚にセットしてみました。メカメカした金属感は大好きです。話がそれますがハスキーと同寸法のこの三脚でUS$30ー60ですから安い、軽い、かっこいいと三拍子揃っています。

おまけ Mamiya Sekor 60mm/f1:2.8 Lens M42 マウント

PB-4が届いてから一週間後ebayで入手した60mmマクロレンズが手許に参りました。マクロ撮影は好きですが「マクロ」とレンズ銘に明記されている本格マクロレンズはキロン100mmマクロしか所有していません。キロン100mmマクロも等倍までシームレスに使えるのでとても重宝致します。早速1Dsにアダプターを介してテスト撮影を致しました。開放では周辺、中心部もやや甘く周辺は光量不足も手伝っていい感じです。”やや甘く”の表現はあくまで私見でありまして実用上何の問題も無いのですが、少しだけハイエストハイライト部分にハロが見れました。ちょっと問題なのは絞りが開ききっていない点です。輝点ぼけが絞りの形状で6角形になりかけています。少しプリセットリングも重めなので大阪のTacサンところへ点検修理に出すかなぁ。

使っての印象は手前のプリセットリングと先端寄りの絞り込みリングが近接していて段差がわずか、間隔もわずか、ローレット形状同一でクリックが弱めなので使い辛い事。絞りクリックは半絞りづつです。先端寄りの絞りリングがクリック無しの絞り込みリングでこの固体はやや重めです。このへんの具合、形状ははシュタインハイルのプリセット絞りリングに軍配が上がります。

下のサンプル画像ですが比較対象レンズの選択を誤ったみたいです。多分此の60mmは今後常時携帯するでしょうから、画像を足してゆく事になると思います。

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