美術評論:村上哲史のギャラリー拝見 ____________

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其の13

三木健司彫刻展「空」

割石邸酒蔵・コンクリート蔵にて

開催期間 2004年 3月27日〔土〕〜4月5日〔月〕


 作品名「空塔」(転生)。見覚えのある作品です。「アトリエ探訪」の2回目で作品を組み立てるのを見せて頂いたあの作品です。「ウェイクアップでの個展の時は天窓から突き抜ける感じを出したかったんだけど、ここでも同じような効果をねらってみました」と三木さん。周りの雰囲気はウェイクアップとはだいぶん違うけど、空間を突き破ろうとしているものということでは本質的に同じなのかもしれません。酒蔵の梁や土壁に負けない存在感と緊張感。さすがに三木さんだなぁと思いました。

 これはもう「ロケットの格納庫」ですね。といっても時代を感じさせる酒蔵の雰囲気はそのまま残っていますから、過去と未来が同居しているというか不思議な空間です。まさに時空を超越しているという感じでしょうか。神の世界を垣間見たような気がしました。

 木と鉄板を組み合わせるという新しい試みも見えました。鉄板を間に置くことでそこに空間ができます。また、鋭さ、冷たさという木とは全く正反対のものが間にあるということで、空気の流れみたいなものが変わってきます。上向きの流れ、外向きの流れ。見えないものが見えてくるような気がするから不思議です。

 こちらは「タイムカプセル」でしょうか。はたまた「タイムマシーン」でしょうか。作品の内部が見え隠れし、視線が内側にも入り込んでいきます。過去と未来、現在の内と外。どちらにしても時空を超えた想像力をかき立てられます。

 最新作「空尖(スリットのある形)」。縦の動きから横の動きへ、これまでと全く違うイメージです。「空天」「空塔」のように上へ上へ(未来へ)進んでいるイメージでもなく、「円空」「空」のように内なるモノへの郷愁や未来への憧れでもなく、今ここにいる自分というか、これからの方向を示すコンパスのような感じがします。

 三木さん曰く、「宙に浮かせたかったので、台に苦労しました」ということですが、例えば、ロープ等で天井からぶら下げて、見上げるようにすると、またイメージが違って見えたのではと思います。


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