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Studio.2 三木健司さんのアトリエ
(鳴門教育大学大学院美術コース研究室)
その2

 ここで三木さんのプロフィールを紹介しようと思いましたが、彼が教えてくれたのは「昭和40年生まれ 村上さんと一緒」ということだけでした。これも《生き方として空》の表れでしょうか。


 これらは、【空塔】を組み立てるときの留め木。【空塔】は8個のパーツと30数個の留め木から出来ているわけで、それぞれに記号を書いて、どの部分に使う部品なのかを区別できるようにしてあるわけですが、これだけ多くなると間違うこともよくあるそうです。

 上の三角形は【空塔】の脚の部分。一つ一つパーツだけ見てもこれからどんなものになるのか想像できないけれど、こうして組み立てられていくのを見ていると「ああ、このパーツはこうして使うんだ」などと新しい発見がたくさんあって、とても楽しかったです。それに、組み立てている当の本人もとても楽しそうでした。まさに積み木遊びの感覚ですね。

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 「木彫を始めたきっかけは?」と質問したところ、「クジにはずれたから」という意外な答えが返ってきました。三木さんは本当は社会科の先生になりたかったそうです。でも、大学の専攻課程で社会科を希望する者が多すぎたため、クジ引きになり、見事にはずれたそうです。そこで目に留まったのが美術コースで、それまで絵を描いたことなど殆どなかったにもかかわらず「嫌いじゃないし、まっ、いいか」という軽いノリで入って、何となく木彫を始めたのがきっかけだそうです。ここでも《生き方としての空》が見え隠れしていました。

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 「制作中は何も考えない」と言い切る三木さん。そう言われるとボクだってキャンバスに向かって手を動かしているときは殆ど何も考えていないような気がします。手を止めて見ているときは、ああしたいこうしたい考えるんだけど、いざ手を動かし始めると考えない方がいい作品が出来ますね。たまに、気が付いたら作品が出来ていたとか。ボクの場合は技術が未熟なせいもあるんだろうけど、考えれば考えるほどみみっちい作品になってしまいます。

 上の写真のように楽しそうに作品を組んでいく三木さんを見ていると、好きなことに夢中になっている時こそが「無」の境地「空」の境地にもっとも近づいている瞬間かもしれないと思います。_

 こうして30分かけてロケットをイメージさせる【空塔】がやっと組み上がりました。天井すれすれのこの作品は、実際に見るともっともっと大きく感じます。天井を突き抜け、空間を貫き、もっともっと高く伸びていきそうな気がします。

 空飛ぶ円盤とロケット。空間、空、宇宙。「空」を連想させる様々な言葉が頭をよぎります。その一方で「何かの形で人のお役に立てるような彫刻を作りたい」という三木さん。んっ?「空」だけでも難しいのに、ますます分らなくなってきました。次回作が楽しみです。


三木さんの今後の予定

5月1日(水)〜6日(月) 春季徳島二紀展

5月8日(水)〜5月12日(日)


     鳴門教育大学大学院美術コース2年生「十人十色展」

     会場は、いずれも阿波銀プラザです。

この二つのどちらかに今回紹介した石彫の作品が見られるかもしれませんね。 


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