美術評論:村上哲史のギャラリー拝見 ____________

ひのみね長屋に戻る___前のページへ__次ぎのページ アトリエ探訪へ__switch to English site__bluepageへ戻る 

其の9

小島真弓さんの絵本・童話展

北村郵便局ギャラリースペースにて

 今回はピエロの絵を描く小島真弓さんの個展におじゃましました。小島さんとは以前バジャー展でご一緒したことがあります。その頃から毎年この郵便局で個展を開かれていて、毎年ご案内を頂いていましたが、ずっと行けず、すまないなと思っていました。今回の取材で久しぶりに小島さんにお会いでき、楽しい時間を過ごさせていただきました。

 今回の会場である北村郵便局は、北島町のやや北部、北村団地の入り口にあります。向かいには北島北公園が整備され、ドーム状の総合体育館が見えます。

 会場に着いて車から降りているところ。今回も井浦さんが同行してくれました。そして注目すべき点は「乗り降り君」のバージョンアップ。スロープの幅がやや広くなり、脱輪の心配が少なくなりました。

 この日、会場に取材に訪れたのは午後5時過ぎ。当然郵便局は閉まっていましたが、小島さんに開けてもらって中に入りました。
 ギャラリーは、細長い通路のようになっていました。普通、郵便局などのギャラリーといえば、ロビーに少しばかりのパネルを張り、申し訳程度の作品しか展示されていませんが、ここは、業務スペースの横にギャラリー専用のスペースが併設されている構造になっています。だから作品だけを見に来た方も落ち着いて鑑賞することが出来るほか、今日のように業務時間外でも作者が自由に開け閉めできるわけです。

 今回展示されているパステル画は12点。すべて、絵本「天使の声が聞こえる」(下の写真)の原画で、その他は自作の絵本、自作の雑誌などが並んでいました。
 実をいうと、このギャラリー拝見が始まって以来、油絵の取材が一度もありません。小島さんは以前油絵でピエロを描いていたので、今回はやっと油絵の取材ができるかなと密かに楽しみにしてました。
 ですが、会場にあるのは・・・。「油絵は描いてないんですか」と尋ねると、「そうなんよ。油絵は時間がかかるだろ、その点パステルだったらサッサーッと描けるでー。その浮いた時間で絵本とか雑誌とかが作れるようになったんよー。また油も描きたいと思とうけどな・・・」ちょっとすまなさそうな小島さんでした。

 彼女がピエロを描くようになったのは、「最初の絵の先生がピエロを描く人で、その人の所には人形がたくさんあったので、初めのうちは人形のピエロを描いていたけど、そのうち、ただ置き物としてのピエロはいやだなと思うようになって、動きのあるピエロを描いてみたくなった」ということから始まったそうです。

 ピエロといえば道化師。ボクのイメージの中には、普段はおどけて見せているがどこかに陰がある二面性を持った存在としてインプットされていたのですが、彼女の描く子供のピエロは純真無垢。人間もピエロも大人になるに連れて感情が複雑になっていくのだなぁと思いました。ちなみに幸田さんは「ボクはピエロの服がパジャマにしか見えないんだけどなー」と言っていました。

 絵本や雑誌は、編集から印刷、製本に至るまですべて手作りだそうです。出版はされないんですかと質問すると、「いつかお気に入りの作品が出来れば・・・」と言っていました。当分は今のように、童話や絵本・雑誌などを作っていくのをライフスタイルにしたいという小島さん。「いつかはストーリーのある絵本を作りたい」とも言っていました。

 小島さんは、以前の作品をスキャナでデジタル化し、はがきサイズに印刷したモノをいろいろと見せてくれました。昨年はカレンダースタイルの絵本を作ったということ、1月〜12月までのそれぞれのピエロが葉書ホルダーの中で遊んでいました。
 また、今年の作品も何枚か詰められていました。ですが、原画と比べると、色が飛んでいる箇所があったり、色合いが濃くなっていたり、パステルの淡い色合いを忠実に再現するのはなかなか難しいようでした。

 これは、小島さんお気に入りの作品。絵本の表紙にもなっています。タイトルは「お姉ちゃんといっしょ」。去年作った絵本をプレゼントしたら、お姉ちゃんが読んであげていたという話を聞いてこの作品が出来たそうです。「その光景が目に浮かんできて、すごく楽しく描けました」と言ってました。

 なお、彼女の個展は来年6月に同じく北村郵便局で行われる予定です。「久しぶりに油も」と言っていたので、今度は油絵のピエロが見られるかもしれませんね。また、「ひょっとすると選抜した絵本の原画展を他の所で開くかも?しれません」とも言っていました。期待しています


もしよろしければ、御感想等頂けましたらうれしく存じます。掲示板へaaaa

aひのみね長屋に戻る___前のページへ__次ぎのページ アトリエ探訪へ__switch to English site__bluepageへ戻る 

Copyright Notice:(C) All rights reserved.

No part of this site may be reproduced or translated in any form without prior permission in writing from HINOMINE NAGAYA.

本ホームページのいかなる内容も無断で転載、引用を禁じます。転載、引用には「ひのみね長屋」からの書面による事前の了解を得る事が必要です。