美術評論:村上哲史のギャラリー拝見 ______

ひのみね長屋に戻る__前のページへ__次ページへ__アトリエ探訪へ switch to English site__bluepageへ戻る

Kusanomi ART 山城幸治展 くさのみアート やましろこうじ

3-3

作品を見終わって撮影も無事終了すると、もうお昼。お腹の虫が活動し始めたので、ここでお昼を頂くことにしました。この日の日替わりランチは「サンマの梅肉しそ包みフイ」。野菜サラダ・フライドポテトなどの付け合わせに、味噌汁・ライスが付いて750円。結構ボリュームがあって、お腹いっぱいになりました。それに、驚いたのは、サンマの骨が1本もなかったこと。サンマは丸ごと1匹乗っているのに、かぶりつくと骨がない。いったんサンマをおろして骨抜きし、梅肉を挟んで元の姿に戻し、紫蘇で包んで揚げてあるんですね。ほんと美味しかったです。左の写真は、そんな食後のくつろぎの一枚。でも何かコーナーが違ってきましたね。それでは話を戻して、「ボクのお気に入り」に移りましょう。



ボクのお気に入り その一

「森のやすらぎ」


 この絵の第一印象は「色がキレイやなぁ」でした。ぐるりと一周してもう一度この絵の前に立つと(車椅子だから座っているのですが)、この絵だけ他と違っているんです。他の絵が自分を思いっきり主張しているのに対し、この絵だけが冷静に落ち着いた感じで迫ってくるんです。「静のエナジー」とでもいうんでしょうか。真ん中の丸い空間と外側の空間。この二つの空間が静かな緊張感を持って画面から迫ってくる感じです。

 おそらく具体的なことは何も考えず心の赴くままに色を塗り丸を描いていっただけなのでしょうが、ある瞬間、奥行きのある空間が出来上がる。そしてそれを見たものにそれぞれのストーリーを連想させる。この瞬間を見逃さずに、もっと描きたい気持ちを抑えて筆を置けるかどうかが、その作家の力量なんだと思います。

 この絵もじっと見ていると、真ん中の空間には、森の中で座り込んで談笑している3人の姿が見えてきます。その上の白や黄色の丸は森の精でしょうか。そう考えるとワクワクした気分になりました。


ボクのお気に入り その二


「ゆき」

タイトルを付けるという作業はとても重要です。この絵のように抽象的な作品は特にそうで、タイトルによって見る人の感じ方がガラッと変わってくることがあるからです。作家によっては、タイトルを先に考えて絵を描き始める人もいます。絵が完成したあとにタイトルを考える人もいます。また、描きながらある時フッとひらめくという人もいます。彼の場合はどうなんでしょう。やはり完成した後で考えるのでしょうか。この絵は、白い部分がとてもキレイです。そして、真ん中のグレイの部分からは雪雲を連想します。だから「ゆき」なんでしょうね。ほんと綺麗な雪だと思います。

そして、色の厚みというか深みもあるんですね。何重にも重ねて塗ってある。出品目録を見てみると、画材の蘭にはポスターカラーと書いてありました。ポスターカラーだけでこれだけの表現が出来るんですね。またひとつ勉強になりました。

今回はここまでです。次回は西昌代さんの陶芸作品をレポ−ト致します。


ひのみね長屋に戻る__前のページへ__次ページへ__アトリエ探訪へ switch to English site__bluepageへ戻る

Copyright Notice:(C) All rights reserved.

No part of this site may be reproduced or translated in any form without prior permission in writing from HINOMINE NAGAYA.

本ホームページのいかなる内容も無断で転載、引用を禁じます。転載、引用には「ひのみね長屋」からの書面による事前の了解を得る事が必要です。